2002年度の活動紹介
2002年度の活動紹介◇
フォスターペアレントの活動
高校3年生による文化祭の模擬店の利益は途上国の恵まれない子供たちの教育資金として使われている。立候補による委員が企画し、協力者をつのる。毎年約130名の高3生徒が参加している。経済的援助を高3が担い、手紙などを出して励ましていくことは下級生たちが行っている。特に今年はフォスタープランの20周年を記念した「こいのぼり」作りを現在行っている。このこいのぼりは五月の連休に港区お台場の空で、世界約60カ国の子供たちの分と一緒に泳ぐ予定。
中学講演会の報告
詩人の新川和江さんによる「詩との出会い」というテーマでお話をしていただきました。
「今この瞬間、自分と相手(ものであっても)が一緒にあることは、当たり前のようだけど凄いこと」
今日の講演の中で私が一番印象に残ったのは、この言葉だった。最近、私の中でもよく考えることの一つだ。誰かと一緒にいる時、人とすれ違った時、枝のように分かれたあらゆる可能性の中でその一つが現実の中で実現したこと……それって、もの凄い数の偶然の集まりで形成されているような気がする。そう思うと自分が今ここに居て、新川さんの話を聞いていることも、私がこの時代に生を受けたことも、大きなことに思えてきた。数えきれない偶然で、偶然に生きている自分の毎日をもっと大切にするべきなんじゃないかと思った。
詩を書くという行為は私にとって結構未だに不透明なもので、自分で書いても意味がつかめずにいたが、新川さんのお話を聞いていて何となくしっくりした気がする。多分、それは「当たり前のことを、当たり前と思わない心」から全てが始まる。この世の中に、何の抵抗もなく存在する偶然と偶然の絡み合い、その間に自分がいることの意味、そういうものを考え出した時、あるいは自然に自分の中に浮かんだ時、詩というものが伝わるのだと思った。
考えて書く詩ではなく、自分の中にフッと現れる詩をいつか書きたい、そう感じた。
(中2生徒)
運動系クラブの活躍
器械体操 | |
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東京都高体連種目別大会 | 床5位入賞 |
東京都高体連新人戦大会 | 団体4位入賞 |
東京都高体連秋季大会 | 床5位入賞団体2位入賞 |
卓球 | |
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東京私立中高卓球選手権大会 | 中学団体 3位、5位 |
ダブルス 優勝 | |
高校団体 5位 | |
第一支部球技大会 | 中学 団体優勝 |
東京都新人卓球大会 | 中学ベスト8 |
バスケットボール | |
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東京都高等学校女子新人大会 | 三部昇格(二部入替戦進出) |
第一支部球技大会 | 中学 準優勝 |
高校 3位 |
バレーボール | |
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東京都新人リーグ戦兼新人選手権大会予選 | 3位 |
ダンス | |
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東京都私立中学高等学校協会創作ダンス発表会 高等学校の部 | 優秀賞 |
中学校の部 | 次点 |
作文などコンクール入賞の報告
作文コンクール | |
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津田塾大学第3回高校生エッセイコンテスト | 優秀賞 高2 |
第17回全国高等学校文芸コンクール | 小説の部 優良賞 高1 |
評論の部 入選 高2 | |
随筆の部 入選 高2 | |
第6回全国創作コンテスト | 現代詩の部 佳作 高2 |
短歌の部 佳作 高2 | |
俳句の部 優秀賞 高1 | |
読売新聞社第52回全国小中学校作文コンクール | 東京都 読売新聞社賞 中3 |
佳作 中2 | |
毎日新聞社21世紀を幸せにする科学 | 優秀賞 高2 |
第46回旺文社学芸コンクール | 小説部門 金賞 江崎玲於奈賞※ 高1 |
入選 高1・中2 | |
読書感想文部門 銅賞 高1 | |
英文エッセイ部門 入選 高1 | |
公益のすすめ E-Mail<思いやり>編 | エッセイ部門 入選 高2 |
産経新聞社35回オートスカラシップ | 佳作 高2 |
第36回全国中学校文芸作品・歌曲創作コンクール | 作文の部 佳作 中1 |
※ 江崎玲於奈賞は、ノーベル物理学賞受賞の江崎玲於奈先生より最優秀作品に贈られる賞です。以下に選評を紹介します。
「これまで最も少ない枚数の金賞受賞作品である。しかし、作品にこめられている内容は、十倍にも二十倍にも相当する重みがあった。誰にでも平等に存在すると思われている時間が、実はそうではなく、人間の創造物のひとつに過ぎないのではという観点で、時間からの自由、場所からの自由という問題を描いている。主人公の少女と、時間・空間のどちらからも自由な黒猫とのメタファジカルな対話は、スリリングでさえある。存在の根源に迫ろうとする試みが、短い枚数の中に凝縮され、濃密な味わいをかもし出している。
こういう作品を書けるということは、広いバック・グラウンドと深い思考をあわせ持っているからであろう。この鋭い感覚をさらに磨いていってほしいものである。」
◇中3英語科授業紹介◇
中三英語デイベートの授業より
女子学院の英語科では、自分の言いたい事を英語を通して伝える事を一つの目標にしています。中一のフォニックス(音声と文字のつながりを学ぶ)を学びながら歌やパーフォーマンスを取り入れた授業からスタートし、中二では初めて身近なものについてのスピーチ(show&tell)を体験します。今年度からは新カリキュラムになり教科書も変わり、レッスンの最後にデイベートを扱った教材が登場しました。そこで今回、中三としては初めての試みとして実際に授業でデイベートを行なう事にしました。
まず、教科書の内容を基にデイベートの仕組みをまとめた後、実際に自分たちもデイベートを行なってみる事にしました。論題は”Joshigakuin should become co-ed.”(女子学院は共学にするべきである)というものです。6~8人のグループに分け、良い点、悪い点をグループの中でそれぞれ思いつく限りのことをあげさせて英文にし、全体で発表しました。(良い点としては「ボーイフレンドが簡単に作れる」「いろいろなクラブが盛んになる」「今よりお行儀が良くなる」などというものがでました。悪い点としては「男の子を意識してブリッコがふえる」「校名を変えなくてはいけない」「伝統が無くなる」などです。)そして次にそれぞれのグループを肯定側、否定側の二つに分けて3~4人でスピーチの作成に取りかかりました。みんなとても熱心に辞書をひきながら意見を約1分の英文にまとめました。
(実際のデイベートはネイテイブの教師とのティームティーチングで行ないました。)
生徒たちはとても熱心に取り組み、中には制限時間を過ぎてもまだ、英語で議論を続けているグループも見られたほどでした。女子学院生が議論好きで、たとえ英語であろうと、何か言いたい、何とかして伝えたいという気持ちが強いことを再認識しました。この活動を通して英語で自分の意見を伝えることができた喜び、また伝えたくてもうまく伝えられなかったもどかしさをそれぞれの生徒が体験したことと思います。
授業の後で感想を聞くと、思ったより面白かった、またやってみたいという意見も多く見られました。中には、論題が偏り過ぎている、つまり、ほとんどの人が共学を望んでいないのに肯定側はとても不利だという意見もあり、あらためて女子学院での女子校生活に生徒たちが満足している事に気づかされるということもありました。
今、中三の英語の授業では、最後の活動として「3年間で一番嬉しかったこと」「私の夢」というテーマでスピーチを発表しています。中一の時英語だけの授業でキョトンとしていた生徒たちがこうして英語でデイベートやスピーチをする姿を見て3年間の成長に驚くこの頃です。
以下にデイベートで発表された生徒のスピーチの一部をほぼ原文のまま載せます。
(肯定側)
We think JG should become co-ed.
Many boys are so powerful that they can play sports well. And most of them like sports. Also some of boys have interesting ideas which girls don’t have. So with boys, school events like Sports Festival and Magnolia Festival will be more exciting and fun. Classes and club activities will be more active, too. If JG become co-ed, our school lives become nicer than now.
In a girls’ school, of course there’re only girls. It’s no use becoming similar thinking and that makes our view narrow. If we grow up as it was, many problems will happen to us in the future. If we girls have six-year school days with boys, we can find many other opinions. Then our minds will develop a lot. Also it is important to understand boys’ way of thinking to share the part in the society someday.
For these reasons, we think JG should become co-ed.
(否定側)1
We don’t think Joshigakuin should become co-ed.
First, Joshigakuin is a school with proud history. And our policy is educating independent young women. However if Joshigakuin become co-ed, it will change! It means we’ll lose our amazing tradition!!
Second, it will be difficult for us to receive new school life.
So, we have to protect Ms.Yajima’s strong will!
*Ms.Yajima 女子学院の初代院長
(否定側)2
We don’t think “Joshigakuin should become co-ed.”
First, we’ll lose the tradition Joshigakuin has protected for 130 years.
Second, the school will become dirtier. Even clean space like a hall becomes dirtier, too. The girls in the school will be as dirty as the boys. Can you forgive that?
Last, if Joshigakuin become co-ed, we won’t be able to change easily. We will need changing rooms, and time to go there. We will be busier. Don’t you think so?
That’s why “Joshigakuin should not become co-ed.”