YWCA班の夏休みの活動より~カンファレンスに参加して
女子学院のYWCA班は毎年、関東のキリスト教女子校が集まるカンファレンスに参加しています。
今年は、「もはや戦うことを学ばない」というテーマで、7月31日から8月2日の3日間、長野県軽井沢で行われました。
9月に行われた、高校1年生と中学1年生の報告礼拝を紹介します。
YWCAカンファレンスに参加して(高校1年)
カンファレンスでは毎年異なるテーマが与えられるのですが、今年のテーマは「もはや戦うことを学ばない」 このテーマからもわかる通り、 戦争について考えるカンファレンスでした。
カンファレンスでは松代大本営の見学や無言館の見学、そして牧師の先生の戦争体験を伺いました。
先に挙げた「松代大本営」と「無言館」というのは、おそらくここにいる殆どの皆さんが知らないだろうと思うので、少し説明させていただきます。松代大本営というのは、太平洋戦争終結間際、本土決戦の際に国の重要な機関や天皇・皇后が危険な東京を避けて移り住むために、朝鮮の人々を強制連行して作らせた、三つの山にまたがる大規模な防空壕です。入口は、どこにでもありそうな洞窟なのですが、中はとても長く続き、うっかり迷いでもしたら二度と出られないといった印象を受けました。道幅は車一台分ほど、高さは教室の天井よりも少し低いくらいでした。そんな通路がどこまでも続いているその光景には、ただの山を掘ってここまでするには一体どれほどの犠牲が払われたのだろう、と恐怖を感じずにはいられませんでした。
無言館というのは、若くして出征し、戦地で亡くなった画学生や画家の遺品を集めた美術館です。絵画だけでなく彫刻や、戦地でのスケッチ、日本にいる家族や恋人、友人にあてた手紙、そして召集令状や死亡証明書など色々な遺品がその人の経歴とともに保存されています。多くの作品が長年の間悪い状態で保存されていたため、表面がはがれ、欠けてしまったりしていますが、どこまでも生きることに前向きな手紙や日記を読むと、どうして彼らが死ななければならなかったのかと憤りも感じました。
太平洋戦争では、東京大空襲、広島・長崎への原爆投下など、数え切れないほどの被害を受けました。しかし、だからといって「日本は被害国だ」と言えるでしょうか。太平洋戦争は日本軍による真珠湾攻撃で幕を開け、日本は東南アジアを占領しました。少し時代を溯れば、南京大虐殺で多くの中国人を虐殺しました。日本は被害国であり、加害国であるのです。日本が危害を加えたのは他国だけではありません。先に述べた無言館を思い出してください。画家たちは自らの意思ではなく、国からの圧力により出征させられました。出征させられただけでなく、望みもしない場所で最期を迎えました。このように、戦争は自国の国民をも苦しめることになり、勝敗にかかわらず、戦争に参加したすべての国において、人々を苦しめ、殺し、何年たっても消えることのない傷を残すことになります。「戦争」とは一体何を人類にもたらすのでしょうか。
(中略)
「もはや戦うことを学ばない」これは今年のカンファレンスのテーマです。私は、「戦う」とは、つまるところ相手と自分を苦しめることだと思います。国籍、性別、年齢に関係なく人々が苦しみ合う、20世紀は辛い世紀でした。そして人間は、過去の反省を忘れてしまったかのように、同じ過ちを繰り返そうとしています。世界の大勢が戦争を忘れている今こそ、過去のあやまちを見つめ、考えるべきでしょう。誰もが自分の人生を、怯えることなく歩める。そんな未来をわたしたち若い世代が作っていきたい。二度と過ちは繰り返させない。そう思わずにはいられない2泊3日のカンファレンスでした。
YWCAカンファレンスに参加して(中学1年)
今回、YWCAのカンファレンスに行って感じたことは、本当に知るということの意味、そして大切さです。
カンファレンスで見学した松代大本営は、とても寒くて暗いところでした。第二次世界大戦当時はもっと寒く、そして暗かったでしょう。そんなところにむりやり連れてこられ、きつい労働をさせられた上、朝鮮の人々は何人も亡くなりました。指揮をとっていたのは、私たちと同じ日本人です。私はそれを知って、朝鮮の方々に申し訳なく思いました。歴史館で見たモッコという石を運ぶ道具は、とても重そうでした。写真で見た朝鮮の人による日本兵の顔や故郷の地名の落書きからは、「早く、早く、帰りたい…」という思いが伝わってきました。確かに、今までもこのことは知ってはいました。しかし、それは形だけ。つまり、「戦争中、たくさんの朝鮮人がこういう所に連れてこられて、強制労働をさせられた」ということしか知りませんでした。たとえ昔だとしても、朝鮮の方々に強制労働をさせた日本人こそが知っていなければならない重い事実を、私は何も知りませんでした。知っているつもりであっても、実際は何も知らなかったことを痛感させられました。
上田無言館では、絵を描きたいという強い思いを持ちながら、戦場にかりだされ、もう二度と家族のもとには帰ってこなかった、若い、若い兵士たち。その兵士たちが描いた絵を見ることができました。その絵の一枚一枚が「描きたい」と今も私の心に語りかけています。
「本当に知る」、とは何でしょうか。「見る」、「聞く」、「感じる」などの経験がなければ本当に知ったことにはならない、それが私なりの答えです。たった今も、世界各地で戦争が起きています。たった二文字の「戦争」という言葉ですが、戦争には多くの犠牲がはらわれています。絵を描きたいという希望をもった若い、若い兵士の命を奪った戦争。人権を無視する戦争。戦争は、たくさんの尊い命を奪います。戦争をなくすためには、まず知ることが大切だと思いました。
2007年度の文化祭(マグノリア祭)が終わりました
10月6日と8日、雨にもかかわらず、1万8千名以上の来校者を迎え、大盛況のうちに終了しました。各団体の努力が十分に発揮され、生徒たちは生き生きと楽しんでいました。
文実企画講演会
第7回講演会は「自由と生きる私たち」というテーマで、田中院長先生、OG、在校生を迎えJGの柱である「自由」についてそれぞれの経験談を交えたパネルディスカッションを行いました。
マグノリア賞
マグノリア賞は、文化祭参加団体に対して、外部の方の評価とマグノリア委員の審査票により選ばれる賞です。対象となる部門は催物部門、音楽部門、展示部門の三つの部門です。また、この他に、文化祭のために結成された有志の展示団体に個人参加特別賞、音A・ライブ団体には音楽特別賞を設けています。
- 展示部門 天文班
- 音楽部門 管弦楽班
- 催物部門 Jr.ESS
- 個人参加団体特別賞 がばしょ
- 音楽特別賞 夢弦色