高校講演会(主催:生徒会報道委員会)
11月17日(金)LHRで、英語を母国語としながら日本文学の作家として、小説や評論など幅広い分野にわたって多くの著書を発表されているリービ英雄さんをお招きして、『日本語の人生』というテーマでお話を伺いました。
講演会感想文
島々や 千々にくだけて 夏の海 松尾芭蕉
とても楽しい講演でした。そして何より日本語の素晴らしさを感じた時間でした。冒頭に掲げた松尾芭蕉の句の英訳も、私の心の中で鮮やかにイメージがひろがりましたが、もっとも印象に残っているのは万葉集の英訳のお話です。
田子の浦ゆうちいでて見れば真白にそふじの高嶺に雪はふりける 日常的に学習のひとつとして英語を学んでいる私たちは、和訳の際日本語に直すとどうしても意味が捉えにくい言葉と出会います。
今回はこの逆のパターンでした。「真白」という言葉は英語にはない、と聞いてなんだか納得しました。確かに、日本語には形容詞、物の状態や様態を表す言葉がたくさんあります。ただの「白」ではない。かといって「真」という漢字をrealと直すだけでは、まるで裁判の判定のようにはっきりとした白黒になってしまう。こんなにも日本語って難しくて、奥が深いものだったんだ。日常普通に話し、書き、聞き、耳になじんでいたためにかえって見えにくくなっていたことを視点を変えて話して頂いたことで気付くことができました。
リービさんは最終的に「真白」を「pure white」と訳しましたが、それは「真白」という言葉の醸しだす雰囲気に本当にふさわしいものだと感じました。
言葉って難しい。日本語って複雑。でもどの国の言語にも、翻訳することが困難な、つまり体や心で感じないと理解することの難しいものがある。それがある、ということが言葉の面白さなのであり、人や文化、様々なものを作り上げる根底となっているのかな、と思いました。そして何より、未知の世界の言葉を理解するために自らの足でアクションをおこしていることに、驚くとともに深い尊敬を覚えました。ありがとうございました。
All those islands!
Broken into thousands of pieces,
The summer’s sea. リービ英雄〔訳〕
講演会感想文
何て面白いのだろう!アメリカ人でありながら日本語を研究なさっているリービ英雄さんのお話はとても魅力的だった。私は昔から日本語に興味をもっていて、特に大和言葉、つまり日本固有の言葉の美しさに惹かれている。リービさんのお名前は寡聞にして知らなかったが、今回リービさんのお話を聞いて、日本人である私とアメリカ人のリービさんとが感性において通じ合っていることを(おこがましいが)強く感じた。
日本語の魅力は、日本語を深く学べば学ぶほど味わうことができると思う。リービさんは日々日本語を研究され、万葉集を英訳されたりと、日本語を母国語に持たない国の人々にもこの魅力を伝えようとなさっている。のみならず日本語で小説も書いていらっしゃる。リービさんが日本語で文章を書かれる理由は「日本語は美しいから」だそうだ。ある言葉に魅せられた人間がその言語で文章を書くのは自然のことのように思える。しかし、アメリカ人が日本語を用いることを多くの人がよしとしなかったそうだ。私にはこの理由が分からない。日本語と向き合う姿勢は良いとか悪いとかいう問題ではなく、当然のことなのに、と私は思うのだ。そして、リービさんにはこれからも日本の言葉を用いて作品を作って頂きたいと思う。
さて、リービさんは万葉集を英訳する行為を「鏡に映す」ことだとおっしゃった。これは今回の講演で私が最も気に入った言葉だ。それは、万葉集を違う言語に置き換えるときに日本語から浮かび上がるイメージを忠実に再現することにリービさんが重きをおいていらっしゃることが分かったからである。また、人が鏡に映った姿によって自身を確認するように、英語で書かれた和歌を読むことで日本語を見つめ直し、再確認することができると気付いたからでもある。
リービさんの書かれた文章を読んだり、講演会で直接お話を伺ったことで、それまでに感じていた以上に日本語に興味を持つようになった。大げさでなく世界が一つ増えたような感じすら抱く。将来を決めなければならないこの時期にリービさんと出会えたことは、進路をそちらの方面へと考えていた私にとってとても幸せなことだった。有意義な時間を過ごせて本当によかったと思う。
クリスマスの準備
同窓会・JG会のクリスマス
12月に入り、同窓会とJG会それぞれの主催によるクリスマス礼拝/祝会が行われました。
◆12月4日(月) | 同窓会クリスマス | 礼拝 | お話 | 四竈揚先生 (日本基督教団千代田教会牧師) |
祝会 | 歌手 | 庄司祐美さん | ||
◆12月9日(土) | JG会クリスマス | 礼拝 | お話 | 田中弘志院長 |
祝会 | アルパ演奏 | ルシア塩満さん |