2006年度の文化祭(マグノリア祭)が終わりました
10月7日と9日、数年ぶりの好天に恵まれて、1万7千名以上の来校者を迎え、大盛況のうちに終えました。各団体の努力の成果が充分に発揮され、満足気な生徒たちの笑顔が印象的でした。
【文実企画 講演会】
今年の講演会は「JG力を感じるとき」というテーマで、パネルディスカッションを行いました。院長先生、3人のOG、文化祭実行委員長を交えて、中・高6年間過ごした後のJGの影響力やJGの魅力について意見交換されました。
【マグノリア賞】
マグノリア賞は、文化祭参加団体に対して、JG生・外部生の投票とマグノリア委員の審査票により選ばれる賞です。対象となる部門は催物部門、音楽部門、展示部門の三つの部門です。また、この他に、文化祭のために結成された有志の展示団体に個人参加団体特別賞、音A・ライブ団体には音楽特別賞を設けています。
展示部門 | 天文班 |
音楽部門 | マンドリンギター班 |
催物部門 | ダンス班 |
個人参加団体特別賞 | desert eagle |
音楽特別賞 | 萬華鏡 |
夏休みのボランティア活動から
女子学院では夏休みの期間、様々なボランティア活動の機会があります。今回は、その中から、礼拝で報告された、YWCA班のカンファレンスに参加した中学3年生の感想と、同じく中学3年生の、白梅福祉作業所のボランティアに参加した感想をご紹介します。
YWCAのカンファレンスに参加して 中学3年
私は今回初めてYWCAのカンファレンスに参加しました。参加した理由は、夏休みの課題でボランティア活動があったからです。家の周りにボランティアの出来るところはあまりなく、母に勧められたのと、YWCA班に友達がいたということと、3日間の体験でレポートが書けたらいいんだから、などと考え、今回の活動の主旨である障害のある人との交流は、その場に行ったらできるだろうと、まったく何も考えずに参加しました。
初日、今回お世話になったやまばと学園に着いて早速うちわ作りをはじめました。一人目標2枚と言われて、周囲から面倒だという声があがりました。私も例外でなく、何でここまで来てこんなことをしているんだろう、などと思いながらうちわ作りをしていました。しばらくして、数人の職員の方々と共に何人か障害のある人たちが部屋に入ってきました。一緒に作業をするというのです。私は知的障害のある人とは関わったことが一回もなく、電車で同じ車両に乗り合わせたときは、次の駅で車両を変えたり、街中で見かけたときも目を合わせないように、なるべくそばに行かないようにしていました。知的障害者というと、訳のわからない言葉を発したりしていて変だとか、そういう偏った見方しかしていませんでした。だから、その日もなるべく関わらないようにと少し距離をおいていました。
2日目になり、いよいよ施設を訪ねての交流ということで少し緊張していました。昨日の自分の態度を振り返ってみて、自分は何のためにここに来たんだろうと思いましたが、思ったからといってどうにかできる訳ではありません。やはり恐怖心などが先にたち、施設に着くころには緊張がピークに達していました。施設の窓拭きをした後、中に入ると何人かがこちらをじっと見ていたり、何かよくわからないことを言いながら走って行ってしまったりして、どうしていいのかますます不安になりました。その後散歩をしに外に出たのですが、同学年の人もいなくて、一人でとぼとぼ歩いていると、隣にいた二人の人が話しかけてくれたのです。最初は慌ててしまい、相手の人が何を言っているのかが良くわからなかったのですが、落ち着いて聞いてみると、道端の花を指し、「ヒマワリ」「ホウセンカ」と私に花の名前を教えようとしてくれていたようでした。「うん。」とか「はい。」とか相づちを打っていただけだったのですが、思い切って「きれいですね。」や「この花は何ですか?」などと言ってみると、少しびっくりしたような顔をされてからニコニコと笑い「この花はね・・・」とか「今度みんなで旅行に行くんだけどね」などととても楽しそうに話してくれました。その笑顔を見て、私は障害のある人たちに対して「怖い」といった感情を持っていたことがとても恥ずかしくなりました。自分がどれだけ狭い価値観の中で生きていたかを改めて実感させられました。(中略)
今回のカンファレンスで、障害のある人たちも私達と同じように笑ったり怒ったりの感情を持っていることを知りました。健常者だから、障害者だから、なんてことは関係ありません。同じように生きて、同じように接することが何のためらいもなく出来るようになったら、それは素敵なことだと思います。自分の狭い世界の中だけで生きていくのではなく、自分の周りに広がる大きな社会の中で、偏見などにとらわれないで自分の考えをきちんと持って行動することが出来たらいいと思いました。
白梅福祉作業所でのボランティア 中学3年
7月24日と25日の2日間、私は世田谷の「白梅福祉作業所」のボランティアに参加してきました。白梅でのボランティアのことは礼拝で何度か聞いたことがあり、中2のときから参加してみたいと思っていました。しかし、知的障害のある方々と接することに不安が無かったわけではありません。白梅の施設についてのプリントを見る度、自分が失礼な態度をとってしまったらどうしようという心配が募りました。また、「作業所」という言葉から何となく灰色のイメージを持っていました。
当日の朝、白梅作業所に着くと、作業所は白い建物の中にありました。中に入ってあいさつをすると、入所者の方々は朝の会をやっていらっしゃるところでした。司会も入所者の方がされていて、司会に指された方が「今日の一言」を言っていました。ある一人の入所者の方は、野球中継で、何回目の裏に誰が点を入れたとか、政治についてのニュースをほとんど覚えていらっしゃるようで驚きました。私達の近くにいらっしゃった方は「どこの学校に行っているの?」とか「はじめまして」とか明るく声をかけてくださいました。入所者の方々同士もおしゃべりをされている、とてもアットホームな雰囲気で、私が持っていた暗いイメージはかき消されてしまいました。
朝の会が終わり、入所者の方々が作業を始めてから、私たちも隣に座って作業を始めました。日によって行う作業が違うのですが、その日は主に幼児向けの雑誌の付録作りでした。私は付録の台紙折りという作業をお手伝いしました。折る順番や方向も決まっていて、しかも切り取り線があったので、以外に難しく、しっかりと折らなければいけないので右手が痛くなりました。けれども、自分の前に出来た袋が積み重ねられるとなんだか嬉しくなりました。全員黙って作業をするのではなく、入所者の方同士でお話をされたり、私たちにも気軽に話しかけてくださったりと、和気あいあいとした雰囲気の中で作業しました。私は右隣に座っていた60才代ぐらいの方とおしゃべりをしました。「女子学院はミッションだけれどフランス語の勉強はあるの?」と聞かれたり、「今度沖縄へ旅行に行ってソーキそばを食べたい。」とおっしゃっていました。夏休みの宿題について聞かれたとき「多すぎて、まだ何もやっていないんです。」と私がグチをこぼすと、「じゃあ僕が手伝ってあげるよ。でも、ちょっと難しすぎるかな?」と言ってくださいました。(中略)
知的障害を持つ方と実際に接して、自分には差別しようという意識などないと思っていたのに、入所者の方々に会う前と会った後のイメージが大きく異なっている自分に驚きました。つまり、何もしていないうちから、すでに心の中にカベができていたのです。どうすれば失礼のないように接することが出来るかなと考えていたこと自体も、普通の人と接するのとは違うという意識につながっていたのかもしれません。しかし、今回の白梅での経験は私の心のカベをとり除く第一歩になったと強く感じました。これから先どのように障害を持っている方と関わっていけばよいのか、自問自答しつつ他のボランティアも積み重ね、社会と関わっていくつもりです。