2022年度が始まりました
女子学院では年度ごとに標語聖句が選ばれ、生徒が登校して一番初めに目にする場所に掲げられています。今年度は、書道班の生徒が書いてくれました。今年度も、一日の初めから、聖句を心に留めて過ごしていきたいと思います。
4月8日に入学式が行われました。新たに入学した中学一年生と共に、今年度も生徒・教職員一同、皆で助け合って、世を照らす光となるように歩んでいきたいと思います。
中学入学式で中学三年生の生徒の述べた「歓迎の言葉」を紹介します。
花が咲き誇り、暖かい春の日差しが差し込むようになりました。新入生の皆さん、ご入学、誠におめでとうございます。在校生一同、心より歓迎申し上げます。
ついに迎えたこの入学式、新入生の皆さんは今、何を感じていますか。これから始まる女子学院での生活への期待と同時に不安もあるかもしれません。私からはこれから皆さんが過ごす女子学院についてお話し致します。
私も二年前、皆さんのように期待と不安を持って入学式に臨みました。新しい友達ができる喜びの一方、周りの人が立派に見えて、私なんて女子学院で本当についていけるのかという不安も感じていました。今思うと私は小学生、そして女子学院入学当時までは他人と自分とを比べる価値観を持っていたからだと思います。そのような私が女子学院での生活を実際に過ごす中で、これまでの価値観が次第に変化しました。
女子学院では生徒の自主性に様々な活動が任されています。例えば体育祭や文化祭などの行事、クラブ活動、委員会活動に至るまで生徒のみで運営しています。自分たちで協力していく過程の中で、私は周りの人との関わりの大切さに気づきました。他者の意見を尊重する大切さ、時に自分と他者の違い、人それぞれの個性を受け入れ、認めることの大切さを知りました。また、それと同時に女子学院が自分をも受け入れてくれる、自分らしさが出せる場であると思います。女子学院ではどの人にも自分の居場所があり、自分の個性を出そうと焦る必要もありません。皆さんには皆さん自身の唯一の個性があります。そして女子学院に入ったからには皆さんはその存在を認められているのです。私自身も学校生活を送る中で自分の意見をはっきりと言えるようになり、自分らしさを出せるようになったと感じています。
皆さんもぜひ自分の意見を言って、十人十色の同級生と沢山交流してみてください。そして皆さんの自分らしさを大切にしてください。
次に、キリスト教についてお話しします。女子学院はキリスト教の学校ですが、皆さんの中で女子学院で初めてキリスト教に触れる人も多いのではないかと思います。私もキリスト教は世界三大宗教の一つであることしか知りませんでした。聖書と讃美歌を初めて手にして礼拝を受けることへの不安もありました。しかし、先生や生徒がお話しする礼拝は毎日あり、女子学院で最も大切にしているものです。女子学院で二年間過ごした私にとって、今となっては礼拝は心を落ち着ける時間です。
私はある礼拝で「隣人を自分のように愛しなさい」という聖書の言葉に出会いました。最初はただ、自分がまわりを大切にすればよいのだと思っていました。しかし、礼拝をきいてこの聖書の言葉について考えているうちに、ただ大切にすればいいということではないと感じ、「自分のように愛しなさい」という言葉の大切さに気づかされました。女子学院では自分らしさを認めてくれると述べた通り、キリスト教では自分はすでに神様に大切にされている存在です。だから自分が神様に大切にされているようにあなたも隣人つまり他者を認め、大切にすべきだと言っているのだと思います。そして自分らしさを自分だけが大切にするのではなく、同時に同級生などの周りの人の良さを認め、受け入れられるように自分が変わるべきだという視点こそが、女子学院で大切にしている価値観であると感じました。そして自分も実際に、少しずつ変わっていくことができました。
皆さんもぜひ、この礼拝の時間を大切にしてください。最初は慣れないかもしれませんが、毎日の礼拝をする中で徐々に慣れていくので安心してください。この礼拝の時間で、自分に対して、女子学院で過ごす上での何か手がかりとなるものや新たな発見を見つけられると思います。
何もかもが新しく、時に悩み、困ることが沢山あると思います。そういう時に遠慮することなく同級生、先輩、先生を頼ってください。自分の思いを伝えてみてください。誰もが皆さんを肯定し、受け止めるはずです。私達在校生も、皆さんの力になりたいと思っています。そして新しい学校生活を、今同じスタート地点にいる同級生と楽しんでください。
これから皆さんとクラブ活動や委員会などで一緒に活動できることを心待ちにしています。皆さんのこれからの学校生活がより充実したものとなるようお祈り申し上げ、歓迎の言葉と致します。