標語聖句2020年度
女子学院の標語聖句は、その聖句の意味を生徒が1年の課題として考えるように、年度初めに院長が選んでいるものです。
2020年度の標語
「あなたがどこに行ってもあなたの神、主は共にいる。」
(ヨシュア記1章9節)
モーセは神様の命令によって、エジプトの地で、過酷な重労働を強いられていたイスラエルの人々を、エジプト王の支配から導き出しました。エジプト脱出の後、彼らは荒れ野での40年間の旅を経て、約束の地カナンへと向かいます。ところが、あとわずかで約束の地に到達しようとしたところで、イスラエルの人々は、ここまで民を率いてきた偉大な指導者モーセを失うこととなります。失意の中にありながら、自らの足で立ち、神様との約束を果たしていこうとする人々に、神様はモーセの後継者として、彼の従者であったヌンの子ヨシュアを立てることとしました。しかし、かつてモーセが、民を率いよとの主からの命令を簡単には受け入れることができなかったように、新しい指導者となるヨシュアもまた、使命を果たすことに大きな不安と恐れを覚え、その任を全うする決断を躊躇し、精一杯の抵抗を試みるのでした。すると主なる神はヨシュアに「あなたを見放すことも、見捨てることもない。強く、雄々しくあれ。」と励ましを与えて、後のイスラエルの繁栄を約束するのです。
女子学院は、今年度創立150周年を迎えました。これまで長い間神様に導かれ、世に生かされてきた女子学院が、さらに世の光として前進するようにとの神様の御心に従って、その歴史の中で時代の節目を越えていこうとする年です。見えない未来に向かって前進することは、希望に満ちた歩みではありますが、一方で、与えられた使命を果たすことができるのかという不安と恐れを常に伴う歩みでもあります。神様はこの重責を負う者たちに、「強く、雄々しくあれ。」と言われるのですが、それは「自分の力を頼りにして、大いに自信をもって進んでいきなさい」とか、「あなたなら十分に能力があるからできますよ」との御言葉ではありません。私たちは神様の前において、常に無力で、何もできない存在であることを自覚しなければなりません。その私たちを生かして下さる神様の存在があることこそが重要なのです。ですから神様は、「あなたの神、主は共にいる」と続けて言われます。そして私たちが決してたった一人で歩んでいるのではないことを教えて下さるのです。
学校生活の中で、また人生の中で、私たちは多くの試練に出会います。しかし、私たちには困難あるいは不可能と思えることであっても、神様のお導きと助けによって、何事でも成すことができるのです。「人間にはできないことも、神にはできる。」(ルカ18:27)と主イエスが言われた御言葉の通りです。
現在の女子学院に集う私たちすべての者は、学院の長い歴史を歩み築いてきた先輩方の後継者として、今それぞれの役割を担っています。一人ひとりが神様から与えられた賜物を用いて、この女子学院に集う中で、不安や恐れよりも勇気と希望をもって、そして何よりも神様への信頼をもって、前に進むことを求められているのです。
「祝福されよ、主に信頼する人は。主がその人のよりどころとなられる。」(エレミヤ17:7)神を知り、神に信頼をおく人々によって、女子学院の歴史が更に積み重ねられていくことを願います。私たち一人ひとりがその貴重な担い手となっていこうではありませんか。
院長 鵜﨑 創
これまでの標語より
- 2023年度 「動かされないようにしっかり立ち、主の業に常に励みなさい。」
(コリントの信徒への手紙一15章58節)
- 2022年度 「あなたがたの光を人々の前に輝かしなさい。」
(マタイによる福音書5章16節)
- 2021年度 「主を尋ね求めよ、見いだしうるときに。」
(イザヤ書55章6節)
- 2020年度 「あなたがどこに行ってもあなたの神、主は共にいる。」
(ヨシュア記1章9節)
- 2019年度 「わたしがあなたがたを愛したように、互いに愛し合いなさい。」
(ヨハネによる福音書15章12節)
- 2018年度 「希望はわたしたちを欺くことがありません。」
(ローマの信徒への手紙5章5節)
- 2017年度 「あなたがたは神に愛されている子供ですから、神に倣う者となりなさい。」
(エフェソの信徒への手紙 5章1節)
- 2016年度 「狭い門から入りなさい。」
(マタイによる福音書 第7章13節)
- 2015年度 「恐れるな、わたしはあなたと共にいる。」
(イザヤ書 第43章5節)
- 2014年度 「人は目に映ることを見るが、主は心によって見る。」
(サムエル記上 第16章7節)
- 2013年度 「神はすべてを時宜にかなうように造り、また、永遠を思う心を人に与えられる。」
(コヘレトの言葉 第3章11節)
- 2012年度 「無くてならぬものは多くはない。いや、一つだけである。」
(ルカによる福音書 10章42節)
- 2011年度 「真理はあなたたちを自由にする。」
(ヨハネによる福音書 8章32節)
- 2010年度 「平和を実現する人々は幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる。」
(マタイによる福音書 5章9節)
- 2009年度 「青春の日々にこそ,お前の創造主に心を留めよ。」
(コヘレトの言葉 12章1節)
- 2008年度 「草は枯れ、花はしぼむが、わたしたちの神の言葉はとこしえに立つ。」
(イザヤ書 40章8節)
- 2007年度 「自分自身を愛するように隣人を愛しなさい。」
(レビ記 19章18節)
- 2006年度 「わたしは道であり、真理であり、命である。」
(ヨハネによる福音書 14章6節)
- 2005年度 「しかし、成長させてくださったのは神です。」
(コリントの信徒への手紙 Ⅰ 3章6節)
- 2004年度 「わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である。」
(ヨハネによる福音書 15章5節)
- 2003年度 「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい。」
(テサロニケの信徒への手紙Ⅰ 5章16~18節)
- 2002年度 「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。」
(ローマの信徒への手紙 12章15節)
- 2001年度 「イエス・キリストは、きのうも今日も、また永遠に変わることのない方です。」
(ヘブライ人への手紙 13章8節)